アプローチ 店舗の接客

マレーシアでの接客から考える、日本の接客販売の未来

2021年4月27日

こんにちは。
オンラインパーソナル接客の
矢島真紀です。

4月の初めにマレーシアへ引っ越し
1週間の隔離期間を経て
ようやく、こちらの生活にも慣れてきました。

 

マレーシアって
行かれたことありますか?

私は初めてのマレーシアです。

様々な文化や
ものすごく都会的なところ
美しいところ
のんびりなところ
豊かな自然
時々びっくりすること(笑)が
入り混じっていて
たくさんの魅力を感じています。

日本人の住みたい国ランキングでは
16年連続NO.1!なのだそうですよ。

せっかくご縁あって
マレーシアに住むことになったので
日本にいた時とは違う切り口で
接客販売を見ていけたら面白いかなと思っています。

 

マレーシアの中心、クアラルンプールには
巨大なショッピングモールが何件もあります。

ショッピングモールと言っても
1階は日本の百貨店のような雰囲気です。

しかも地方の百貨店ではなく
新宿伊勢丹とか梅田阪急のように
たくさんのブランドショップが立ち並んでいる
とても華やかでラグジュアリーな空間なんです。

広島には無くて
東京に行ったときに買っていたブランドも
ここに全部ある感じ^^

マレーシアでは
新しい建物や道路が建設されていたり
日本企業もどんどん進出していたり
まだまだ発展していく勢いを感じます。

 

そして本題。
接客に関しては
国が変われば、全然ちがうんですね。

日本はやはり
洗練されていて素晴らしいと
改めて感じます。

マレーシアでは
ラグジュアリーブランドの店員さんでも
店内にお客様がいなければ
スマホをいじりながらお店に立っていることが
珍しくはありません。

もう少し庶民的なお店になると
座ってスマホをいじっている店員さんも
当たり前です。

接客しているか
スマホ触ってるか
おしゃべりしているか
というのが全体的な印象です。

 

日本だったら
絶対にありえないですよね。

でも不思議なことに
マレーシアでは
思いのほか気にならないものです。

これって、なぜでしょう?

 

私は、こう考えます。

それが当たり前の景色だから

 

そう考えると
日本での当たり前の景色は
洗練に洗練を重ねて
とても基準の高いところに達しています。

しかし、この基準の高さは
本当に必要なのか?

誰のためになっているのか?

日本の接客を
もしマレーシアに落とし込んだら
今以上に売上が上がったり
お客様満足度や
従業員満足度が上がったり
みんなが幸せになったりするのか?

ふと、そんなふうに考えてみました。

 

例えば、日本では
接客していない時の待機姿勢は
動的待機(動待機)が一般的です。

同じところにじっと立ったまま
お客様をお迎えする静的待機(静待機)ではなく
商品の乱れを直したり
時には直すフリをしながら
お客様が入店しやすいように
動きながらお客様のご来店をお待ちします。

この習慣は
いつお客様が来られても
笑顔で歓迎し
圧迫感なく入店してもらうための
きめ細やかな配慮です。

 

接客販売に関わる人にとっては
新入社員研修で必ず習うキホンのキですが
国が変われば
誰もやっていないのです。

「先進国だから」
「文化が違うから」
「日本はおもてなしの国だから」
日本には必要なのでしょうか?

確かに、そうだったのかもしれません。

 

この動的待機が一般的になったのは
いつ頃なのか?
調べてみても正確にわかりませんでしたが
(ご存知の方がいらしたら、ぜひ教えてください!)
2001年に私が百貨店で働き始めた頃には
すでに一般的でした。

この頃はまだまだモノが売れている時代。

女子大生はみんなブランドバッグを持ち
シーズンごとに流行のファッションをとっかえひっかえ。
クリスマスにはブランドショップや
ジュエリーショップには連日長蛇の列。
セールはお祭り騒ぎ。

販売員もたくさんいましたが
お客様もたくさん来られていて
手の空いている時間なんて
ほとんどありませんでした。

そして、情報源は雑誌だったんですよね。

 

20年経った今、
全く時代が違います。

【百貨店の売上推移】

 出典:経済産業省 第一回百貨店研究会事務局説明資料

2001年の売上8.6兆円と比べると
2020年は4.4兆円減少の4.2兆円となっています。

 

コロナの影響もあり
一日中お客様がほとんどいらっしゃらない
なんて日もありますよね。

笑顔をキープして
動的待機をしていても
1時間も2時間も
お客様のいない時間が続くと
心が折れてしまう販売員さんも
いらっしゃるのではないでしょうか。

 

さらに今はインターネットで下見をして
目星をつけてご来店されている方が
多くいらっしゃいますよね。

そのため、昔よりも
入店時の販売員の印象は
入店客数や購入率に
影響しなくなっているはずです。

それでも、多大な人件費をかけて
いつ来るかわからないお客様を
忍耐強く待ち続けることが
最善の策なのでしょうか。

例えば、予約制を採用したり
バックヤードと連携を取れるシステムを導入するなど
販売員さんの心身の負担を軽減し
生産性を高める方法もとれるはずです。

 

時代は大きく変わりました。
これまでの常識が非常識になる時代。

接客販売の現場でも
これまでのやり方が本当に今必要なのか
今の時代に合っているのかを
見直す時なのではないでしょうか。